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塗絵大賞2008結果発表

第6回塗り絵コンテストに多数のご応募ありがとうございました。331点の中から大賞、準大賞、特別賞に選ばれた作品と選評をご紹介します。

【総評】
◆審査委員長・山越 達夫
「大賞の森田さんは色鉛筆でもこれだけリッチな色彩を作り出せるということを見せてくれました。準大賞の岩井さん、山門さんは難しい黒と白を使いこなし、それぞれの持ち味を出しています。3人に共通するのは、見過ごされそうな部分にも神経を配っている点。細かい作業の積み重ねが、第一印象の美しさを作り出すのです。どなたが大賞に選ばれてもおかしくない、非常に高い水準での選考でした」

◆ステッドラー日本株式会社
「今回も多くの力作がそろったばかりでなく、応募された方々のレベルがまた上がったように感じました。丁寧に仕上げているだけでなくそれぞれにパンチのある何かが存在している作品が入選しています。その反面、以前にあった独創的な色使いや技法が影を潜めてしまったことに少しさびしさも感じました。絵を描いている(塗絵で作品を作り上げている)その時間が楽しいことを思い出して、自分の絵を作り上げてくださることを期待しています」

◆ホルベイン工業株式会社
「色鉛筆をベースとして、部分的に水彩絵の具やアクリルガッシュを取り入れた作品が多くなったようです。表現方法が増えると、塗り絵の楽しみは広がります。いろいろなタイプの画材にチャレンジしてください。そして、コンテストを励みに、いつまでも塗り絵を楽しんでいただきたいと思います」

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塗絵大賞埼玉県 森田 嘉代子さん


埼玉県 森田 嘉代子さんの作品

作品名
上段:「舟遊びの昼食」(ルノワール)
下段左から:
「青い花瓶」(セザンヌ)
「長崎十二景 青い酒」(竹久夢二)
「晩春」(竹久夢二)

使用画材:油性色鉛筆

森田 嘉代子さんの作品2森田 嘉代子さんの作品3森田 嘉代子さんの作品4

【受賞者紹介】
 子供の頃は「きいち」の塗り絵が大好きだったという森田さん。それ以外に絵の経験として思い浮かぶのは、小学生のときの写生大会ぐらいだといいます。たまたま近所に住んでいた漫画家の先生に「こうやって影をつけるんだよ」とアドバイスされ、そのとおりに描いたら入選していたとか。今回の受賞作も、原画をお手本に見よう見まねで塗っただけだというから驚きです。
 画材に色鉛筆を選んだのは、自己流でも気軽に使えるから。何色か重ねて思いどおりの色に近づけていく作業が楽しく、「これで完成」と思った後も、つい塗り足してしまうそうです。

【選評】審査委員長・山越 達夫
 色鉛筆の粒子を指で紙にすりこんだようなきめ細かさが、森田さんの真骨頂。「舟遊びの昼食」では、そんな重ね塗りの妙技がいかんなく発揮されました。ともすると一本調子になりがちな肌色も一人ひとり微妙にトーンを変えたり、黒いドレスは淡い紫色を下に敷いて光沢を出したり、丹念な塗り重ねでルノワール独特の光を表現しています。
 森田さんのように模写としての塗り絵を極めた方は、次のステップとして、より個性的な表現方法を探ってみてはいかがでしょう? 好きな絵や好きな配色の共通点を見直してみると、ヒントが見つかるかもしれません。

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準大賞東京都 岩井 亮さん


作品名
上段:「ヴィーナスの誕生」(ボッティチェリ)
中段左から:「笛を吹く少年」(マネ)
「一番可愛いのは誰?」(ペイトン)
下段左から:「落穂拾い」(ミレー)
「フィレンツェ、ボボリ公園からの眺め」(コロー)

使用画材:色鉛筆、水彩、筆ペン、パステル

東京都 岩井 亮さんの作品
東京都 岩井 亮さんの作品東京都 岩井 亮さんの作品

【選評】審査委員長・山越 達夫
黒という色には、鑑賞者の目を腕ずくで画面に引きずり込む力があります。しかし、黒の効果を最大限に生かすのは意外とむずかしいもの。岩井さんの作品を並べてみると、黒がいろいろな形で存在感を発揮し、一種の個性となっているのがわかります。「ヴィーナスの誕生」「落穂拾い」では黒い色鉛筆で描いた影、「笛を吹く少年」では筆ペンを使った漆黒の上着が絵全体を引き締めています。そして、引き込まれた目でよく見ると、隅々まで丁寧に塗りきっている。人物や猫の表情にも狂いがないですね。

東京都 岩井 亮さんの作品東京都 岩井 亮さんの作品

 

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準大賞三重県 山門 和美さん


作品名
上段:「小路」(フェルメール)
下段左から:「ハヤブサ」(グールド)
「星月夜」(ゴッホ)

使用画材:水彩色鉛筆、水彩、アクリルガッシュ

三重県 山門 和美さんの作品
三重県 山門 和美さんの作品三重県 山門 和美さんの作品

【選評】審査委員長・山越 達夫
 山門さんは作品の数だけ画風を持っている塗り手です。オリジナルの画家がその絵を描いたときの気持ちを探り、それを追体験しようとしているようです。だから、絵によって、これだけ画材選びや筆運びが変わるのでしょう。たとえば「星月夜」は厚塗りに適したガッシュで荒々しいうねりを描き、一方、「ハヤブサ」の羽毛は細い筆で精密に描いています。
 「小路」は、レンガ、板壁、屋根の質感にこだわり、フェルメールの時代の空気感を表現。雲の白を微妙に汚してみるなど、“白の達人”と呼びたいような技が散りばめられています。

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特別賞東京都 長谷川 緑さん


東京都 長谷川 緑さんの作品

作品名
「チューリップ」(ルドゥーテ)

使用画材:透明水彩

【選評】審査委員長・山越 達夫
 色作りと筆運びの巧みさが際立つ作品。ストライプ模様の花はアメ細工のようだし、ダークなトーンでまとめた葉の中にもさまざまな色が隠れています。白い色で微妙な光を表現するテクニックが心憎い。丁寧なだけでなくメリハリが効いているので、細やかさと潔さが同居した仕上がりになっています。これだけの腕があるのですから、“原画忠実路線”にとどまらず、塗り絵なりに独自の作風を目指して、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか? 

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特別賞福島県 根本 佳奈子さん


福島県 根本 佳奈子さんの作品

作品名
「オオムラサキツユクサ」(カーティス)

使用画材:水彩色鉛筆、クレパス

【選評】審査委員長・山越 達夫
 原画とは全然違う配色ですが、きれいにまとまっています。色彩センスのいい方だと感じました。小さな蕾の中にも多彩な色を織り交ぜながら、色が濁ることなく、元の色の明るさを保っているのがいい。特別細かいテクニックを使っているわけではなく、ディテールに秘密があるわけでもないのに、遠くから見たときに目を引きつける何かがあります。近視眼的な塗り方ではなく、少し離して全体のバランスを確認しながら描いたのではないでしょうか。

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特別賞愛知県 小野 裕一さん


愛知県 小野 裕一さんの作品

作品名
「アイリス」(ゴッホ)

使用画材:油性色鉛筆

【選評】審査委員長・山越 達夫
 目立たないところへのこだわりが半端じゃない、執念の塗り絵です。派手に主張するのではなく、ふと気づいた人だけ絶句させる技巧――完璧すぎるがゆえに見過ごされかねない、その職人技に審査員一同驚嘆しました。圧巻は黄色の背景。レモン色にオレンジ、茶色などを重ねて、油彩の“でこぼこ感”を再現しています。原画を手本に黙々と鉛筆の線で起伏を描いたのでしょう(塗絵倶楽部の線画の背景は完全に無地ですから)。目を凝らしてもなお、写真かと疑いたくなるような精密さです。

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特別賞神奈川県 一戸 和子さん


神奈川県 一戸 和子さんの作品

作品名
「オーベールの教会」(ゴッホ)

使用画材:水彩色鉛筆、水彩

【選評】審査委員長・山越 達夫
 豪快だけれど乱暴ではなく、大胆さと丁寧さがうまく共存している作品。ゴッホと相性がよい塗り手だと思います。が、一方で、塗り絵に収まりきらない独自の芸術性が表面に出てきている感じも受けました。水彩色鉛筆と水彩絵の具それぞれの性質を生かして、一部に原画と違う色も取り入れているし、建物の輪郭を強調するために後から加えた黒い線は、単に「色を塗るための枠」ではなく、「絵を形作る線のひとつ」として成立しています。自分で絵を描いたらスゴイ作品を生み出す方なのでは?

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特別賞神奈川県 真下 愛子さん


神奈川県 真下 愛子さんの作品

作品名
「アルルのはね橋」(ゴッホ)

使用画材:水彩色鉛筆、水彩

【選評】審査委員長・山越 達夫
 波紋の広がりや、水面にかぶさる草など「むずかしそう」とあきらめてしまう人が多いなか、真下さんは画材の特性と塗る順番をよく考え、調和の取れた風景画にまとめています。同系色は色鉛筆だけで混色し、補色の場合は溶け合わないよう後から水彩を重ねるなど、原画の色に近づくための努力が随所に感じられます。特に水面の緑混じりの青がいい。このように基本的なことの積み重ねによって、遠目で見たとき心が落ち着くような画面が出来上がるのです。

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特別賞京都府 姫野 京さん


京都府 姫野 京さんの作品

作品名
「長崎十二景 青い酒」(竹久夢二)

使用画材:水彩色鉛筆

【選評】審査委員長・山越 達夫
 紙の目がつぶれるほど強く、濃く塗った結果、何か別の物質に変化したかのような不思議な効果が生まれています。着物の柄は途中から潔く放棄し、一方テーブルクロスの柄は色とりどりに塗るという、その匙加減が妙に気持ちいい。全体を大きく赤、青、黄に分けたバランスもいいですね。テーブルの色が違っていたらまったく別の印象になっていたでしょう。どれも計算された選択ではないかもしれないけれど、結果的にステンドグラスのような鮮やかな画面に仕上がっています。

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